韓国映画『毒親』ネタバレなし解説|母娘の愛と支配が交錯する心理サスペンス

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出典:『毒親』公式HP

「愛しているからこそ」と言いながら、いつの間にか相手を傷つけてしまう。

韓国映画『毒親』は、そんな“歪んだ親子愛”の裏に潜む心の闇を描いた心理ミステリーです。成績優秀な高校生ユリと、彼女を溺愛する母ヘヨン。一見すると理想の母娘関係に見える二人の関係は、やがて取り返しのつかない悲劇へと向かっていきます。

本記事では、映画『毒親』のネタバレなしレビューと鑑賞ポイント、そして主要登場人物の紹介を通して、この作品が投げかけるメッセージをひもといていきます。衝撃のラストにたどり着くまでの心理描写や演技力の高さに注目しながら、ぜひ一緒にその魅力を探ってみてください。

【毒親】基本情報
原題독친
制作年2023年
日本公開2024年4月6日
監督・脚本キム・スイン
配信Amazonビデオ・U-NEXT(レンタル)2025年6月現在

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目次

韓国映画【毒親】あらすじ・鑑賞ポイント・ネタバレなしレビュー

出典:『毒親』公式HP

韓国映画【毒親】|あらすじ

過干渉な母親と、その愛に押し潰されそうになる娘。韓国映画『毒親』は、表面上は理想の親子関係に見える母娘の“真実”を、スリリングかつ繊細に描いたミステリー作品。

高校生のユリは、成績優秀で模範的な優等生。母ヘヨンは、そんなユリを溺愛し、完璧な進路を歩ませるべく、日々厳しい管理を行っていた。周囲からは理想的な母娘と見られていたが、ユリにとってそれは“呪い”でもあった。

模擬試験の当日、学校へ行かず姿を消したユリは、キャンプ場で遺体となって発見される。

捜査を担当するオ刑事は自殺と見立てるが、母ヘヨンはそれを頑なに否定。やがて娘の死の真相を巡り、担任教師・ギボムの存在が浮上する。彼は試験前夜、ユリを呼び出していたというのだ。

娘の“本当の敵”は誰だったのか?母の愛は、どこで歪んでしまったのか?一人の少女の死をきっかけに、愛と執着の境界線が浮き彫りになっていく。

韓国映画【毒親】|鑑賞ポイント

「毒親」は韓国でも社会問題となっている、過干渉な親が子どもを管理監視する物語です。そんな本作の鑑賞ポイントを以下2点にまとめました。ぜひ視聴前にチェックしてください。

鑑賞ポイント①|行き過ぎない「毒親」の沼

出典:『毒親』公式HP

本作を観る上で避けて通れないのが「毒親」の存在。

タイトルになっているのだから、視聴者も「さて、どんな毒親っぷりをみせてくれるんだろう」と身構えてしまう。

本作はユリがなぜ自殺したのか、はたまた他殺なのではないかを問うミステリー作品。だけど、「毒親」というタイトルが足を引っ張って母親の毒親っぷりばかりに注目してしまうあたり、このタイトルでよかったのか?とも思うが、まずはこの母親の毒親っぷりについて解説したい。

毒親、それは女子高生ユリの母親、カン・ヘヨンのことである。へヨンは娘を溺愛し、毎日栄養のある食事を与え、学校にも車で送迎する。一見するととっても良い母親なのである。

日本において「毒親」と聞くと、ネグレストや暴力を振るう親、または金銭を要求するクズ人間を想像するだろう。実際そのような親が描かれた映画や小説、また実際の事件も発生している。

なので、娘の生活や学業を熱心にフォローするヘヨンは「想像している毒親とちょっと違う」となることでしょう。

がしかし!!この行きすぎていないラインがなんともリアルで、怖さを増幅させる。こんな母親なら身近にいそうだし、なんなら自分の母親も?自分も我が子にしているかも?とゾッとさせる。
この線引きがなんとも絶妙なのである。

ヘヨンは確かにヒステリックだし、子どもの成績に口うるさい母親でもある。でもだからといってユリが自殺を選ぶほどの毒親か?と最初は思うだろう。

だけど物語が進むにつれて知ることとなる。
娘への盗聴が日常化していて、そのことを問い詰められると、「自分の子どもは自分のものだ」と断言する。

アイドル練習生の友人を不良だと決めつけ、所属している芸能事務所に乗り込んで騒ぎ立てる。娘のアレルギーも把握せず自分が身体にいいと思ったものを強要する。周りの人から何を言われても一切聞く耳を持たない。

ちょっとヤバいぞ、この母親・・・。

作中でも話が進むにつれて母親の奇行が浮き彫りになり、周囲も毒親に育てられている娘の沼を知ることとなるのです。

家族だからこそ、抜け出せない沼。ちょっとずつ己の心と身体を蝕む母親の存在。だけど、愛している母親。

愛し方を間違えた母への思いが、死の選択として語られるラストシーンは必見です。

鑑賞ポイント②|ユリを地獄に落とす「傲慢」と「偏見」

出典:『毒親』公式HP

毒親に育てられた娘の苦悩を描いた本作。その毒は母親だけに止まらず、周りからの態度によってもユリは苦しめられます。それは・・・

「傲慢」と「偏見」

物語の中で友人のイェナがこんなことを言います。

信じる心は傲慢と偏見をもたらす。

与えた愛を相手も愛として受け止める。そう、信じる傲慢さ。

愛された人は必ず幸せだと信じる偏見。

そう、この作品は人の傲慢と偏見に問題提起する作品でもあります。

母親ヘヨンは、ユリを愛しユリのために行動をしている。だから、ユリもその思いや行動を愛だとして受け取るべきだ。愛しているのだから自分の行動は間違っていない。そう信じる傲慢さ。また、アイドル練習生は不良だから、娘と関わるべきではないと信じる偏見。

この母親の傲慢と偏見によってユリは追い詰められていく。

だが、同時に周りからは「ユリは母親から愛されているから幸せだ」と信じられている。それ自体が周りの偏見であり、ユリを追い詰める。

人間の勝手な思考(傲慢と偏見)が他人を追い詰める。そんなことを考えさせられる作品でもあります。
この逃げられない沼を感じながら、ぜひ一度ご鑑賞ください。家族とは何か?を深く考えるきっかけになるはずです。

韓国映画【毒親】|ネタバレなしレビュー

2度は観たくないが、1度は見るべき映画「毒親」

2度は観たくないとはいえ、本サイトで記事にするには2度以上鑑賞するを(勝手に)モットーにしている筆者は、2度鑑賞しました。が、正直2度観るのはキツイ映画です。

とことん胸糞ではないけど、最後まで救われない。そんなお話だからです。

あのね、この毒親のお母さん。最後まで改心しません。(ネタバレ?になってたらごめんなさい)
周囲みんなが分かっている問題に、まったく気が付かない母親。

自分の非は一切認めないし、すべて他人のせいだと騒ぎ立てる。究極の他責ヒステリックおばさんなので、ずっと地味にイライラさせられるんです。

出典:『毒親』公式HP

そう。地味にイライラさせられるのが本作の特徴。
映画としての派手さや衝撃展開はなく、周りに実際ありそうなお話なんです。

このリアルさの追求は秀逸で、登場する俳優さんがすごく地味。地味と言うか、おそらく日本での知名度ほぼゼロな俳優さんたちのオンパレードなのです。

母親役の チャン·ソヒさんは経歴の長い女優さんなので、顔は知っていると言う方もいるかもですが、その他の俳優さんたち全員無名!(言いすぎたかも)

そのスター俳優がいないからこそのリアル感。

派手な演出もなく、地味なカメラワークと音楽。
「隣の街で起こっている日常」のような映画。

だからこそ、自分もこんなこと子どもにしていないか?とちょっと心配になる。

母親って、子どもを通して社会から評価される事があるじゃないですか。
子どもが東大に合格したら、母親もすごい!ってなるし、子どもがグレると母親失格のレッテルを貼られる、みたいな。

だから、子どものためと思っていることが、自分のためだったりすることは理解ができます。理解ができる部分があるだけに、観ていて辛い。

本作でも、母親のヘヨンが顧客から子どものことを聞かれるシーンがあります。子どもの現在地(例えば有名校に通っているとか、有名企業に勤めているなど)が親のランクになるんですよね。

このランクで親も社会的に認められたり卑下されたりする。そんな厳しい世の中だからこそ、親は子どもを通して自分をランクアップさせたいし、こんな世の中に出ていく子どものキャリア形成に必死になる。

特に韓国は学歴社会って言いますもんね。どこの大学を出ているかで階級が分けられるんでしょう、きっと。

そんな韓国社会のダークな部分を垣間見た「毒親」。
お子さんを持つ方はもちろん、親子関係が濃密な方は一度視聴されることをオススメします。
あなたの常識は親の捏造かもしれませんよ。ふふふ。

最後に、作中に出てきて心に残ったセリフをご紹介します。

「いくら水が体に良くても飲み過ぎは良くない。良いものも取り過ぎれば毒になる

愛もそうだ」

取り過ぎれば愛も毒になるってことです。
沁みる!!

韓国映画【毒親】メインキャスト紹介

ヘヨン|演 チャン·ソヒ

ユリの母親。子供を大切に思うが故に過剰な行動に走ってしまう母親。自身も母親から虐待を受けていた。

画像出典:『毒親』公式HP

チャン·ソヒ
生年月日1972年1月5日
身長163cm
デビュー1981年
出身地ソウル特別市

【出演映画】・・・・・・・・・・・・・・・

タイトル役名役柄
毒親 ドクチン(2023年)ヘヨン娘に干渉する母親
秘密のオブジェクト(2011年)イ・ヘジョン社会学科教授
ぼくら特殊発掘捜査隊(2006年)チョン・エランビョンオの母
三日月と夜船(2005年)チョ・ソニ先生
天国からのメッセージ(2004年)イ・ヨンファ
野望の大陸(1993年)

【出演ドラマ】・・・・・・・・・・・・・・・

タイトル役名役柄
魔女のゲーム(2022年)ソル・ユギョンチョナグループ常務
復讐のカルテット(2017年)ミン・ドゥルレ母親を亡くした娘、子役出身三流女優
我が家のロマンス(2015年)キム・ユニジョンエの長女
カッコウの巣(2015年)ペク・ヨニカフェ店主
愛の選択~産婦人科の女医(2010年)ソ・ヘヨン産婦人科科長
チャン·ソヒの出演ドラマをもっと見る
妻の誘惑(2008年)ク・ウンジェ(ミン・ソヒ)専業主婦からメイクアップアーティストへ
恋するレシピ(2005年)オ・スンジンマーケティング専門ウェイトレス
メリーゴーランド(2003年)ソン・ウンギョジンギョの姉
人魚姫(2002年)ウン・アリヨン(ウナ)脚本家、ウナはペンネーム
ぴったり、よし(2001年)
彼女の家(2001年)チェヨンヨンウクの先輩
曲がり角(2001年)
オンダルの王子たち(2000年)ヒョンジュイリンの飲食店マネージャー
お金.com(2000年)ソ・ソヒ
太祖王建-ワンゴン(2000年)
火花(2000年)ヒョンギョンジヒョンの仕事仲間
ホジュン~宮廷医官への道~仁嬪キム氏王の第二側室
ベスト劇場-12歳差(1999年)
ひとりだけのあなた(1999年)
愛のために(1998年)
王と妃(1998年)淑嬪(スクビン)ホン氏文宗の側室
ベスト劇場-12歳差(1999年)
ひとりだけのあなた(1999年)
愛のために(1998年)
王と妃(1998年)洪氏
風の歌(1998年)
お嬢様(1997年)
予感(1997年)
龍の涙(1996年)
母さんは出張中(1996年)
母さんの旗(1996年)
野望の花火(1995年)
宮廷女官キム尚宮(1995年)ユ氏光海君の妃
海風(1995年)ギルジャ
ハンミョンフェ(1994年)廃妃ユン氏成宗の2番目の妃、燕山君の母
往十里(1993年)
日曜日は堪えてください(1993年)
悲歌悲(1992年)
その女(1990年)

チャン·ソヒの詳細なプロフィールはこちらのWikipediaページをご覧ください。

ユリ|演 カン・アンナ

母親からの過剰な干渉に耐えらなくなった女子高生。集団自殺を図る。

画像出典:『毒親』公式HP

カン・アンナ
生年月日2000年9月9日

【出演映画】・・・・・・・・・・・・・・・

タイトル役名役柄
勇敢な市民(2023年)ソン・ウンギョムヨン高校 ハン・スガンの取巻き
毒親 ドクチン(2023年)ユリ自殺した高校生
ターン:ザ・ストリート(2021年)

【出演ドラマ】・・・・・・・・・・・・・・・

タイトル役名役柄
ペーパーハウスコリア: 統一通貨を奪え(2022年)学生
KBSドラマ「赤い靴」(2021年)

イェナ|演 チェ·ソユン

ユリのクラスメイト。ひょんなことから親しくなり、お互いの悩みを打ち明ける仲になるが・・・。

画像出典:『毒親』公式HP

【出演映画】・・・・・・・・・・・・・・・

タイトル役名役柄
毒親 ドクチン(2023年)イェナユリのクラスメイト

【出演ドラマ】・・・・・・・・・・・・・・・

タイトル役名役柄
悪縁(2025年)イ・ユジョンの高校時代
ビジランテ(2023年)ユ・ハンニョ
ある日、私の家の玄関に滅亡が入ってきた(2021年)キム・ダインドンギョンの会社の編集チーム員
イミテーション(2021年)ソユン
モッコジキッチン(2021年)カン・ナリ

オ刑事|演 オ·テギョン

ユリの自殺を担当する刑事。事件の全貌を明らかにするために母親に話を聞くが、母親の異常な行動を目の当たりにする。

画像出典:『毒親』公式HP

オ·テギョン
生年月日1982年12月16日
身長178cm
デビュー1989年

【出演映画】・・・・・・・・・・・・・・・

タイトル役名役柄
毒親 ドクチン(2023年)オ刑事女子高生の自殺を調査する刑事
がんばれ!チョルス(2019年)キソプ消防隊員
王の預言書(2018年)キム・ドゥナム
スウィンダラーズ(2017年)テドン被害者
少女は悪魔を待ちわびて(2016年)チョン・ミンス提報者
オ·テギョンの出演映画をもっと見る
遭難者たち(2013年)ハクス町の青年
音痴クリニック(2012年)イ・シフン
マイウェイ(2011年)クァンチュン
夢はかなう(2010年)アン・ゲス
影の殺人(2009年)ン・スヒョンミン・チソンの息子
悪いやつほどよく眠る(2008年)チョンギル
解剖学教室(2007年)ソン・ギボム解剖学実習チーム
ファン・ジニ(2007年)ケットンイノミの甥 チンピラの頭目
浜辺の女(2006年)大きい刺身料理屋 従業員
角砂糖(2006年)チョリ騎手同期生
恋の罠 -淫乱書生-(2006年)チョンソ
五つの視線 -リュックサックを背負った少年-(2005年)チョンソ
R-POINT (アール・ポイント)(2004年)チャン・ヨンス兵長
チャ・テヒョンのハッピー☆クリスマス (2003年)チョ・ドングァン
オールド・ボーイ(2003年)テス
子猫をお願い(2001年)オム・チャニョンヘジュのボーイフレンド 予備校生
華厳経(1993年)ソンジェ

【出演ドラマ】・・・・・・・・・・・・・・・

タイトル役名役柄
インサイダーウ・サンギウ・ミンホの父
ホテルデルーナ(2019年)チョン・ウンソクワールドディスク代表
ビッグイシュー(2019年)ナム・ジンソク検事
匂いを見る少女(2015年)ヤン・ソクチンホン・シェフ殺人事件の犯人
神様がくれた14日間(2014年)チャン・ムンスセッビョルの学校前の文具店店主
オ·テギョンの出演ドラマをもっと見る
神のクイズ シーズン3(2012年)チェ・ギュソクチョン・ソウンの恋人
天上の花園(2011年)ユン・ジノスンウの実父
神の天秤(2008年)チャン・ヨンハジュナの弟
名家の娘ソヒ(2004年)チェ・ユングク
泥棒の娘(2000年)万引き少年
怒った顔で振り返れ(2000年)ドンフンの少年時代
ホジュン~宮廷医官への道~(1999年)ホ・ギョムジュンの息子
6人兄妹(1998年)イ・チャンヒ長男、学生

ギボム|演 ユン·ジュンウォン

ユリの担任教師。生徒思いでユリにも親身に接するが、ゆえにユリの母親にユリの死に関係していると疑われる。自身も親との関係に悩みを持つ。

画像出典:『毒親』公式HP

ユン·ジュンウォン
生年月日1994年10月26日
身長181cm
経歴ボーイズグループThe Man Blkの元メンバー

【出演映画】・・・・・・・・・・・・・・・

タイトル役名役柄
毒親 ドクチン(2023年)ギボムユリの担任教師

韓国映画【毒親】|まとめ

「愛」と「支配」は紙一重静かに心をえぐる心理サスペンス

『毒親』は、“親の愛”という言葉の裏に潜む危うさを、静かに、しかし確実に突きつけてくる作品です。
優等生であり続ける娘と、それを誇りに思う母。その関係の歪みは、決して他人事ではなく、現代社会に潜む「見えにくい暴力」の一端を描いています。

派手な演出や大きな事件がなくても、観る者の心にじわじわと染み込んでくる――。そんな繊細で重厚なストーリー展開、そして母役を演じた俳優の鬼気迫る演技は圧巻です。

観終わったあと、「本当の愛とは何か?」を自分自身にも問いかけたくなる一作。心理ドラマや親子関係をテーマにした映画が好きな方には、ぜひ一度観てほしい作品です。

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